先日エッジを研いで、ホットワックスをかけたスキーのベース作りに、夏の天気の良い日の太陽光を利用したサマーワクシングをはじめました。
これは、気温の高い日に太陽光を利用することでスキーの滑走面を温めてワックスフューチャーなどのサーモワックス的な効果を狙っているという部分もあるのですが、実は硬くて溶けにくい低温用のベースワックスを効率よくスキーのソールに浸透、定着させたいというのが最大の目的。
そもそもなぜ、低温用の硬いベースワックスが必要か、というといくつか理由があります。
まず、ベースにいちど硬いワックスを入れておいたほうがよく滑るということ。
さらに硬いベースワックスを入れておいたほうがワックスの持ちが良いということ。
そしていちばん重要なのは「ベースバーン」といわれるワックスが抜けた状態で滑り続けると起こる「スキー(スノーボード)のソールが雪との摩擦で毛羽立ってしまう現象、エッジの際に発生しやすい」を防止すること。
このベースバーン、滑走性が悪くなる(酷くなるとブレーキ要素にすらなってしまう)だけでなく、ワックスも入っていかなくなってしまい、修理するためにはソールをサンディング(削る)するしかないのです。
以前はドミネーターの「ズーム」や、ホルメンコールのベータミックスなど、マイナス10℃からマイナス15℃程度の硬さのワックスをベースワックスとして使っていた頃は、1日、2日のスキーでけっこうソールのエッジ脇が白くなっていたものでした。
それが、マイナス30℃対応のTOKO トコ Base Performance ブルー を使いだしてからは「ベースバーン」に至りそうな気配はないのでかなり安心して滑れます。
ただ、低温に対応する硬いワックスは溶けにくく、ワックスをかける作業をするのがなかなかに困難。
スキーのソールを焼いてしまわないように、なおかつワックスをしっかりと溶かしてスキーのソールに定着させるのは至難の業。
それが、7月、8月の天気の良い昼間の太陽光を利用するとスキーのソールを60℃程度まで温めることが出来るので、低温用の硬くて溶けにくいワックスをそれほど苦労することなくソールに馴染ませることができるのです。