関西を舞台にした,味わい深い小説を執筆されている増山 実氏がワタクシの住んでいる豊中を舞台にした小説を描かれたというので楽しみにしていました。
図書館の蔵書を予約しましたがとても人気,かなり長い待ちを経てようやく読むことができました。
物語は「待兼山駅」という架空の駅を舞台にしてはじまります。
駅としては実在しませんが,地名としては実際にあり,豊中市の公式キャラクター「マチカネくん」のモデルとなったマチカネワニの化石が発掘されたところでもあります。
場所は,大阪大学のキャンパスがあるあたり。
待兼山駅は阪急石橋阪大前駅をモデルにしたのかなぁ,などと思って読み進めていくと最後は何とその石橋阪大前駅が存在する世界と,待兼山駅が存在する世界があるというお話に展開していきます。
物語の核となる,創業65年の喫茶店と,書店は「待兼山駅が存在する世界」にあります。
ちょっと不思議な,ファンタジックなお話が七篇。
たいへん楽しませていただきました。