黒牢城 米澤穂信著。
先日読んだ「本と鍵の季節」を図書館で予約したときに同じ著者の作品をいくつか予約していました。
あまり予備知識なしに読んでみたら,本と鍵の季節とは随分テイストが違う,ずっしり重厚な文体で語られる歴史小説かと思いきや,数々の不思議な事件が巻き起こり,その謎を解いていくというミステリーの要素に引き込まれる。
舞台となったのが,ワタクシの住む街のお隣,兵庫県伊丹市にかつてあった「有岡城」。
茨木,高槻,尼崎に猪名川などなど,馴染みのある地名がたくさん出てくるのも興味深く,たいへん面白い。
そして,ストーリー終盤にはあっと驚くどんでん返しもあり,爽やかな読後感。
久しぶりにしっかりと読み応えのある歴史小説とミステリーを同時に楽しむことができました。
第166回直木賞受賞,第12回山田風太郎賞受賞,そして,4大ミステリーランキング制覇,だそうですがそれも納得の大作。