この書籍も、例によってFMの本紹介のコーナーでおすすめされたもの。
まず出だしのお話は、高校に入学するのと同時に新築マンション「アドヴァンス・ヒル」に引っ越してきた少年が中学生の頃には勉強に苦労していなかったのに、高校生になって思わぬ成績不振に悩まされるところからはじまる。
たまたま立ち寄った公園で偶然同級生の女の子と遭遇し、その公園にある古ぼけたカバのアニマルライド、人呼んで「リカバリー・カバヒコ」の、自分の治してもらいたいところを撫でると回復するという都市伝説を教えてもらい、頭を撫でる。
そのほか、ママ友と馴染めない元アパレル店員のお母さん。
駅伝で走るのが嫌で足が痛いと仮病を使ったら本当に痛くなってしまった小学生。
ストレスで体調を崩してしまい休職を余儀なくされた女性。
母親との関係がこじれているが母親が高齢になりサポートしなくてはならず関係に悩む雑誌編集長。
みなさんアドヴァンス・ヒルの住人でそれぞれつながっていたり。
それぞれの悩みや痛みにそっと寄り添ってくれるとても温かい物語でした。