スキーブーツのD・I・Yチューンナップ 仕上げ編

とりあえず足が入るように幅をひろげて、ブーツのセンタリングを入念におこなった、ロシニョールの選手用ブーツ(RADICAL WORLDCUP SI ZA)2013年モデル。

昨日、平日に休暇で、家族も仕事や学校ということでじっくりと仕上げの加工を行うことができました。

まずは、恥ずかしながら、ワタクシの足です。

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前足部の足幅が100mm超あるので(ラインを引いた部分)元の幅が92mm(26cmのブーツでの値なので、25.5cmではもう少し狭いかも。)からかなり拡げないとマトモに足入れすらできません。

そして、丸で囲んだ甲の部分、ブーツの第2バックルの受けの近辺も当たりを感じます。
また、甲のこの辺りには太い血管があるので圧迫されると足の痺れの原因にもなります。

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足の内側では、丸で囲んだ、土踏まずの後半部分が圧迫されるので、かなりシェルを出す必要がありました。
ここのラインが押されていると足が真っ直ぐ入りません。

このあたりの大まかな加工は済ませているのですが、甲の部分の当たり解消と、右足の足幅をもう少し拡げる必要があります。

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ブーツのシェルを熱加工する場合は、可能であればロアシェルとアッパーシェルは取り外した方が作業しやすいです。

また、熱に弱いと思われるゴムや、フットベッドなどは取り外しておくのが無難でしょう。

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コレは、足の甲部分の加工です。

シェルプレスツールを縦にセット。
ツールの受け側には、ゴムのシートを当てて滑り止めにしています。

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第2バックルの受け側付近が少し浮き上がっているのがおわかりでしょうか。

この状態で、ヒートガンで加熱します。
ポイントは、高すぎない温度でじっくりと加熱すること。
100度を超えるような高温にまで加熱するとシェルの素材が溶けでしまうので厳禁です。
しかし、加熱が充分でないとシェルを変形させることが出来ず、ツール外せば元に戻ってしまいます。

このあたりの加減が難しいところ。

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コレはべつの箇所ですが、ヒートガンで加熱している様子。

ブーツのシェル素材によって溶けてしまう温度なども変わってくるかと思いますが、おおむね90度くらいまでの温度にとどめておくのが良さそうです。

そして、加熱の度合いですが、ワタクシは加熱しながら裏側を手で触って熱くなるまでを目安にしています。
ブーツのロアシェルはかなり分厚いので表面の、ヒートガンの熱風が当たっている部分はすぐに熱くなりますが、裏側まで充分に熱が加わるまで意外と時間がかかるものです。
コレが、裏側まで加熱出来ていないと狙いどうりにシェルを変形させることができません。

また、加工の量が多い場合などはツールセットして加工箇所を拡げるのですが、いちど加熱してからさらにツールを押し拡げると効率よく作業することができます。

そして、シェルが暖かいうちにツールを外してしまうとせっかく変形させた部分が戻ってしまうので、充分に温度が下がるまで待つこともポイント。
加工箇所によっては保冷剤を当てても良いでしょう。

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今回は両足の甲と、右足の土踏まず部分。
そして右足の小指側を拡げてほぼ部分的な当たり、長時間履いたときの足の痺れが解消されました。

昨日は「仕上げ」の加工ですが、1箇所加工したら、履いてみて確認して、また必要なところを加工、という具合に納得いくまでじっくりと加工したら1日がかりでした。

パワーベルトをお気に入りのブースターストラップに交換してほぼ完成。

あとはシーズンまでにできるだけ履いて確認です。
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