スピノザの診察室 夏川 草介著

スピノザの診察室 夏川 草介著

この書籍も,FMの番組での本紹介のコーナーでお勧めされていたもの。

すぐに図書館に予約を入れたのですがかなり長期間待ちました。

主人公んぽ「マチ先生」は凄腕のドクターで,勤務していた大学でも将来を嘱望されていたのですが,最愛の妹が病に倒れて残された甥を引き取って育てるために大学病院を退職,京都の地域病院で老人に寄り添う医療に従事している。

数々の難しい手術を成功させてきたスーパードクターでも,末期癌の患者を完治させることなどできないという無力感,人間の幸せとはなにかというテーマについて,哲学者スピノザの言葉を借りて考察するマチ先生のストーリーは,とても暖かくて奥深い。

京都を舞台に繰り広げられる物語の中で甘党の主人公が舌鼓を打つ,さまざまなスイーツの解説も楽しい。

とても良い作品だと思ったら,すでに映画化と続編の刊行が決まったそう。

そちらも楽しみです。


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