さて、スキーブーツのカント調整の続編です。
その1で書いた「ロアシェルとアッパーシェルの取り付け角度」を左右に変えることによる調整というのは、実はワタクシはほとんど使いません。
というのは、そもそもカント調整する以前にスキーブーツ(特にロアシェル)にまっすぐに足が収まっている状態を作り出すことが前提として重要だと考えるからです。
スキーを操作するうえでやはり外脚インエッジを操作することが基本中の基本。
その外脚インエッジにエネルギーを伝達するために、スキーブーツ内側のラインは得てしてタイトに作られています。
ブーツ内側のラインに限らず、ブーツのシェルに適切に自分の足が収まるように加工、調整をおこなったうえでカント調整の効果が出てくるものだと思います。
ということで、適切なシェル加工を施してロアシェルに脚が真っ直ぐに収まるという前提でカント調整をおこないます。
まずはスキーブーツを履いてまっすぐに立ち、正面から見て膝の中心がブーツの中心とどれくらいズレているか測定します。
ワタクシは「曲尺」の長い物を使って膝の中止とブーツの「コバ」のモールドラインとの位置関係を測定します。
ブーツの先端まで膝を曲げて、その位置で曲尺を使って膝の中心にあてて調べるわけですが、注意点としては曲尺の短い辺がキチンと設置するように(床面から垂直になるように)気をつけること。
ついでに床面から膝の中心の距離(長さ)を測ります。
ここで、ワタクシの秘蔵の参考文献からの変換表を参考に程良い角度に調整をするわけです。
一般的に1度から2.5度の範囲内にブーツのセンターから内側に膝の中心が位置するのが理想的なカント角度だそうです。
膝の変位置(膝の中心と床からの高さ)がワタクシの場合、ほぼ50.8センチに当てはまるので1度のカント角に設定するためには膝の中心がブーツセンターの9ミリ内側になるように調整する必要があります。
この画像は左足のブーツですので左側のマジックでのマーキングが1度、右側のマーキングが1.5度。
ワタクシの場合は未調整の場合、左足はオーバーカントで膝中心がブーツセンターよりも外側になり、右足はほぼフラットな位置でした。
で、調整方法ですが、程度の多少はあれアンダーカント(膝中心をブーツセンターよりも内側に)にもって行きたい。
フットベッドの外側や、インソール裏の外側にテープを貼って調整します。
無論、アンダーカントがきつすぎる場合は逆に内側にテープを貼って調整するべきです。
テープを何枚か重ねてはブーツに足入れし、曲尺で膝中心の位置を確認して狙いどおりのところまで調整するわけです。
今回は左右とも1.5度のアンダーカントに設定してみました。