スキーのエッジを研ぐ セカンド板のオガサカトライアンS
2023/08/16
先日,ハチ北高原スキー場で使って,あまりにエッジが効かなくて閉口したオガサカトライアンS。
本来は,このスキー,トライアンSLではなくすこしソフトなSというのがミソで、ソフトなスキーにしっかりしたマーカーピストンコントロールプレートを組み合わせてエッジグリップ,安定感を補完するセッティングでとても扱いやすいお気に入りなのですが,セカンド板として酷使したこととお手入れをサボっていたことが原因で実力が発揮できていませんでした。
まだスキーに行く予定はあり,これからの時期のスキー場では「セカンド板」を使うのが無難なので,しっかりとエッジを立ててすこしでも調子良く滑れるように自分でできる範囲のチューンナップを行いました。
前回使ったときにかなりエッジの効きが甘くなっていたのでしっかりとファイル(単目ヤスリ)を使って削って「角」を出す必要があるので,久しぶりにチューンナップテーブルを設置してバイスでスキーを固定して作業しなくてはなりません。
ここのところ,ホットワックスをかける時には,らくらくテーブルと呼んでいる,スタンドタイプの作業台を使っていましたが,さすがに力を入れて作業するのには心許ない。
オイルストーンや,ダイヤモンド砥石などで研ぐ程度ならば片手で保持したスキーのエッジに砥石をあてて研いでもさほど問題はありませんが,ファイル(ヤスリ)でしっかりと削る場合はスキーをバイスで固定しないと角度を正確にだすことができません。
このスキーは,けっこう石を踏んづけてソールやエッジに傷が入っていますが,致命的な深い傷はないのでリペアはせずにワックスをかけるだけ,そしてエッジは本来なら滑走面側のエッジ(ベースエッジ)を整えてから,サイドエッジを研ぐのが正解。
しかし,滑走面(ソール)のチューンナップを行わない(削らない)でベースエッジを削るということは,ソールよりもたくさんベースエッジを削ることになり,ベースエッジのビベル角を大きくすることになってしまいます。
そうなると,スキーの乗り味,反応にかなり影響があるので,ベースビベルを変化させることは避けたいので今回はファイルで削ることはせずにオイルストーンで軽く磨くことにとどめました。
このスキーはベースエッジのビベル角1度,サイドエッジのビベル角88度で使用していたのでその設定は変えずにエッジがシャープになるようにサイドエッジをしっかりと削ることにします。
この設定で,サイドエッジのビベル88度に対して,ベースエッジが1度垂らしているのでマイナス1度ということになり,エッジ自体は89度という,1度だけ鋭角な設定
多少なりとも石を踏んだりしてエッジに「焼き」が入っているとファイルでは削ることができないので水を含ませたオイルストーンでエッジを研いで焼きを落とし,サイドエッジ側はスキーのボーダー(サイドウォールのエッジの上の部分)も金属用のヤスリであるファイルではうまく削ることができないので「ボーダーカッター」ですこし削っておく必要があります。
そしてサイドエッジ用のファイルガイド(88度のビベル角用)にファイルを固定。
ワタクシはカムピリオ大阪さんのオリジナル,プロ仕様ステンレスファイルガイドを愛用しています。
バイスにしっかりと固定したスキーにファイルをあててエッジを削ります。
ファイルガイドをスキーのソールに沿わせて,ファイルがエッジにピッタリと接するように心がけて,軽く手前に引くように作業するのがポイント。
作業中にファイルや、ファイルガイドがスキーから外れてエッジの角を削ってしまうと台無しなので慎重に。
一気に削ろうとして力を入れて削るのではなく,軽く押さえて引くのがコツ。
このスキーは前回サイドエッジを研磨してから8日間使用したものですが条件の悪いゲレンデで使っていたためにかなりしっかり削ってようやくエッジの「角」をしっかりと立てることができました。
スキーの左右を決めて使っていたため,インエッジ側の消耗が激しくてかなりエッジを削る必要があったのは予想していましたが,マーカーピストンコントロールプレートという強いプレートを入れているためか,同じ側のエッジでもトップとテールに比べてプレート部分前後のエッジをかなり削る必要があったのは驚きました。
本来ならばこまめに(1,2回の滑走ごとに)オイルストーンなどで研いでおけばシャープなエッジを保つことができるのですが,サボってしまって一旦エッジの角が丸まってしまうとエッジをファイルで削る必要ができてしまいます。
たとえ,雪のコンディションが悪いときに使うスキーだとしても手入れを怠ってしまってはいざという時に困るのは自分自身。
ファイルで角を立てたら,オイルストーンでバリを落として滑らかに研いで終了。
ファイル(ヤスリ)でエッジを削ったあと、仕上げに使うのはオイルストーン(砥石)かダイヤモンド砥石のどちらでもお好みで。
ダイヤモンド砥石は切れ味が良いのですがすぐに目詰まりしてしまう。
オイルストーンも目詰まりしてしまいがちではありますが、水に浸けておいて、水分で潤滑しながらエッジを砥ぐことができるのでワタクシはオイルストーンを愛用しています。
別のスキーですが,サイドエッジを研磨する工程の動画を作成してみました。