昨年に引き続いて,妻の誕生日のお祝いに,お気に入りのレストラン「スペイン バスク料理エチョラ」さんを予約して訪問しました。
11時30分の開店時間に合わせてテーブル席を予約。
5500円のランチコースをお願いしました。
突き出しのピンチョスは,パンに甘酸っぱい玉ねぎと山羊のチーズを乗せたもの
山羊のチーズの香りをパンと玉ねぎがほどよくマイルドに感じさせて美味しい。
タラのフリット
香ばしくてソフトな食感,ワインが進みそう。
高知産カツオのマリネとアホブランコ
カツオのマリネは皮目を香ばしく炙っていますが素材の旨み,香りを殺さない最小限の味着けに留めている。
カツオに乗せられたマスの卵,「アホブランコ」ソース(アーモンド主体のソースだそう),散りばめられたシェリー酒のゼリーのハーモニーが楽しい一品。
明石タコとピルピルオイル
タコと,ピルピル(タラをオリーブオイルで煮て乳化させたもの)ソースを組み合わせたものでエチョラさんでは定番のメニュー。
明石ダコがとても柔らかく(最小限の火入れに留めているのでしょう。)タコの風味とピルピルオイルの組み合わせを最大限に味わうことができます。
桜エビごはん
桜エビをたっぷり使った,食感からするとリゾット、といって良いのかな。
これもエチョラさんの定番で季節やタイミングによって具材は変わりますが素材の臭みやえぐみなど一切感じさせずに旨味だけを楽しむことができる逸品。
三重産サワラの炭火焼き,ドノスティア風
昨年,同じコースのランチを頂いたときにも産地は違いますが同じサワラのメニューが出たのでこれもエチョラさんの定番なのかもしれません。
サワラは柔らかくしっとりしていて皮目が炭火で香ばしいのですが過剰な味付けはされず,サワラ本来の風味が存分に楽しめます。
添えられているジャガイモがとっても甘みがあって魚と一緒に頬張ると旨みが凝縮されてなお旨し。
青森産長谷川豚ロースの炭火焼き
これもエチョラさんお得意の,豚肉の炭火焼き。
1000円ランチを提供していたときにも何度か「ガリシア産ポークのロースト」を頂いてとても気に入っていたのですが,今回は青森産長谷川豚という聞きなれない産地の素材。
ですが絶妙な火入れ,強すぎず肉の旨みを最大限に引き出す塩味加減などさすが。
添えられているソースがパプリカを使った少し酸味のあるものと,フォンドボーのコクのあるもの。
そして付け合わせのジャガイモは,肉の旨みに負けないようにカリッと揚げられているもの。
豚肉というと,どうしても牛肉よりも下に見られがちですがエチョラさんで頂く絶品の豚肉ロースト料理は旨みがギュッと詰まっていてむしろそこらのビーフの上を言っているように思います。
オリーブオイルのビスコチョと金柑
オリーブオイルを添えられているのはアニスの香りのアイスクリーム。
金柑のコンポートが添えられたケーキとともに,食後のエスプレッソにとてもよく合います。
以前はちょっとインパクトのあるガツンとした力強い料理のイメージがありましたが昨年久しぶりに伺ってから最小限の火入れ、そして過剰な塩味,味付けをされていない繊細かつ絶妙な、素材の風味を最大限に楽しませてくれる料理に進化しているように感じられました。
今回いただいた5500円のコースだと品数が多くてお腹がいっぱいになります。決してお安くはありませんが内容を考えると充分にリーズナブル。
3300円のコースでも充分に満足できる食事が楽しめるでしょう。