ひと 小野寺 史宣著
この本も,FMココロの書籍紹介でお薦めの書籍。
主人公は東京で大学に通う青年。
高校生の頃に父親を不慮の事故で亡くして頼るべき人は母親だけだったのに、その母親が急死。
大学を辞めざるを得なくなり,ベースギターを担当していたバンドも解散してしまう。
財布の中に55円の残金しかなく,お腹を空かせていたところに惣菜屋さんで50円のコロッケを買って飢えを満たそうとしたときに,後からきたおばさんに順番を譲ったら,最後のコロッケを買われてしまう・・
すこし控えめで人の良い青年が,結局アルバイトすることになったお惣菜屋さんの店主や同僚,そしてお客さん,解散したバンドの仲間。
そして,母親の葬儀の時にお世話になった親戚や母親の同僚。
アルバイト中に偶然再会した高校の同級生などなど,さまざまな人々との関わりの中で自立していくという,とてもハートウォーミングなお話。
読後,温かく,爽やかな気持ちになりました。