名探偵のままでいて 小西マサテル著
この書籍も,例によってFMココロの番組内,本紹介のコーナーでオススメされていたもの。
図書館で予約して,かなり待ちましたがそれもそのはず,「このミステリーがすごい大賞」受賞作品だそうです。
(受賞時は「物語は紫煙の彼方に」というタイトルで,加筆,修正,改題されたもの)
主人公の楓は小学校の教師。そして,祖父はかつて小学校の校長を長く務めた切れ者だが「レビー正体型認知症」を患い,介護を受けながらの生活。
第一章は,ミステリーマニアの孫娘と祖父の微笑ましい関係を描いたストーリーに思えますが第二章で実際の殺人事件が絡んできてきな臭くなり,第三章ではある小学校で「マドンナ先生」と呼ばれていた美人教師が夏休み前の最後のプールの授業中,突然消えていなくなってしまうという謎の事件。
第四章は楓が受け持つクラスの授業での謎の出来事などなど,さまざまな謎をゴロワーズの紫煙を燻らせながら見事に解き明かしていく祖父。
第五章では,楓の同僚の人の良がよく生徒から慕われている教師が殺人犯の疑いをかけられて,さらには楓と家族に降りかかった悲劇が明らかにされる。
そして,終章では楓自身と祖父にストーカーの魔の手が伸びる,スリル満点,ハラハラドキドキの展開。
大変面白く読ませていただきました。